活動報告
豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。
北九州市民カレッジ「小倉織を学び、織ってみよう」講師より
2022.07.24
2年間開催できなかった「小倉織を学び、織ってみよう-5回連続公講座」を今年は無事に開催することが出来ました。小倉織に関心を持ってくださっているたくさんの方々がこの講座に応募してくださるのですが、織り、染めなどの実技を行う関係上受け容れる人数が限られていて、ご希望に添えないことがあり、大変申し訳なく思っています。◆この講座では、小倉織はいつ頃生まれ、どのような用途に使われたのかという歴史を辿ります。◆また、原料となるワタからどのように糸を作り、染め、織って布になるのか、小倉織のできる過程を学びます。◆日本全国にたくさんある木綿織物と小倉織は何が違うのか、といった特徴などをお話しして、小倉織についてて多くを知っていただけるよう講義をします。
◆講義とともに、綿が糸になり、機織り機で織って布になる過程を知っていただきたく、紡ぎと織の体験の時間を作っています。
また、◆「mini小倉を使って自分でデザインした真田紐を織る」という体験が組み込まれています。まず糸を藍、玉ねぎ、茜などの植物で染めます。染めた糸を使って30本の経糸で織る真田紐をデザインします。そして、小さな腰機を使った織へと進みます。
プログラムは8年間講座を重ねていくうちに少しずつ変わってきました。自分でデザインするのは難しい作業ですが、色を並べ、悩み、考え抜いて作ったデザインが実際に真田紐になると愛着が湧いてきます。講師の側も、デザインの段階で出来上がりのイメージを掴めるように工夫を重ねました。◆内容が盛りだくさんの講座を実現するには非常に多くの準備が必要になります。主催の生涯学習総合センター、会場や道具の提供を頂いているいのちのたび博物館、市民カレッジの卒業生によって組織されている伝承会会員などなど、多くの皆様の力によって支えられてこの講座は成り立っています。
◆木綿が日本に伝わって間もないころに、私たちが暮らす北九州になぜこのような丈夫な木綿織物が生まれたのか?誰によってどこから伝えられたのか?まだまだ謎の部分がたくさんありますが、分からないことを明らかにしながら、すばらしい故郷の伝統文化を未来に伝えていきたいと思います。また、「布」との関わり合いによって、日常の生活が少しでも豊かなものになることを願っています。◆カレッジ生がデザインした真田紐にはそれぞれの思いが籠っています。(kei)