豊前小倉織研究会の活動とメンバー

豊前小倉織研究会は1995年北九州市の市民文化講座「小倉織と布の歴史」を受講したメンバーによりスタートしました。発会当初小倉織の史料は少なかったため調査を積み重ねました。見つかった史料に出来るだけ近いものを復元することによって小倉織の特徴を確認して行きました。それから二十年以上小倉織の復元をすると共に、日常的に使えるものを現代の感性に合わせて制作することで、これから先も小倉織が必要とされるものであって欲しいと願いながら、創作活動を行っています。また、小倉織を地域の大事な文化として伝えていきたいと展示会の開催、講演会、体験会、ワークショップ、学校での伝統文化の授業などを行っています。小倉織が好きで集まってきた仲間は、工房で自分の作品のデザイン、糸紡ぎ、染め、機に掛ける作業、織り、仕上げの一連の作業をすべて最初から最後までひとりひとりで行います。作っているのはおもに帯や小物です。また、作品制作と同時に多くの体験学習や広報活動をメンバー全員で協力して行っています。

研究会で使用している糸

機械で紡績すると糸は圴一で細い糸を作れるため、密度を高くして織るととても美しい布になります。手紡ぎは機械のように圴一に紡ぐことは難しく、しかも強度を考えると細くすることには限界があります。しかし、栽培した和綿を紡いで織るようになって思うことがあります。和綿は手に触れると優しく、しかも弾力と艶があるのです。織っていて糸の持つ表情の変化に飽きることがありません。そして、織りあがって砧打ちした布はとても表情豊かです。糸を紡ぐのは大変な手間ですが、畑で元気に育った綿を手仕事ならではの糸に紡いで、人の手でしかつくれない小倉織を織り続けたいと思っています。

研究会で織っている布に使う糸は4種類あります
①たて・よことも手紡ぎ双糸
②たて・よことも手紡ぎ単糸
③たて…機械紡績糸 よこ…手紡ぎ単糸
④たて・よことも機械紡績糸

帯、小物用など用途によって使い分けています
帯は①の手紡ぎ双糸で織ることを目指しています