活動報告
豊前小倉織研究会は、①小倉織の調査と研究 ②小倉織の制作 ③小倉織を広く伝える、の3つを柱にして活動しています。
北九州市立すがお小学校授業「小倉織のことを知ろう」
2022.02.08
2022年1月27日(木) 9:45~11:20北九州市立すがお小学校において4年生児童7名に小倉織の授業を行いました。4年生の皆さんは普段の授業でも小倉織について学習しており、歴史の授業の時は先生のお話をとても真剣に聞きいていました。また、日頃から小学校の農場で綿の栽培をしていて、当日の朝も収穫した綿の実を手で綿と種に分ける作業をして持ってきてくれました。綿くり、弓打ち、糸紡ぎの体験の時は積極的に参加し、糸を紡ぐことの難しさや、紡げるようになった時の嬉しさを通して、昔の人の大変さを実感したようでした。コロナ禍での授業でしたが、子供たちの「楽しかった!」という声に、私たちもいっぱい元気をもらった一日でした。 (ゆう。/ こめ)
周望学舎「郷土の伝統文化小倉織」
2022.01.25
1月25日(火)10:00~12:00北九州市立年長者研修大学周望学舎に伺いました。講座のテーマは「郷土の伝統文化小倉織」。受講者は20名余で2時間の講義です。
まずは大和代表が小倉織との出会いや小倉織を織るようになったきっかけなどをお話しし、その後パワーポイントのスライドを見ていただきながら歴史や特徴などについて説明しました。皆さんとても熱心で講義中こちらからの問いかけにも積極的に答えられていました。特に盛り上がったのが実演の時間でした。綿繰り機を使って種と綿がきれいに分別される様子に「不思議だ!」、綿を丸めた「じんき」から糸が紡がれる様子に「う~ん、すごい!」など、綿繰りと糸車の周りにはあっという間に人だかりが出来ました。
質疑応答の時間では「藍は発酵するということだが毎日かき混ぜるのか」(A:天然発酵建てなので毎日かき混ぜます)「糸を染める度に藍は薄くなっていくのか」(A:藍の成分が減っていくのでだんだん薄くなります)などのお尋ねがありました。「男性用の帯はあるのか」(A:制作しております)という質問や「小倉織で一番向いているものは何ですか?」の質問に大和代表の「丈夫な布なので、帯を作っていますが、他にも向いているものがあったら私もそれ知りたいです(笑)」には教室中にどっと笑いが起こりました。最後に研究会の現在・今後の活動などを紹介して終わりました。
今回初めて周望学舎へ伺いましたが、皆さん本当にエネルギッシュな方ばかりで驚きました。年間を通しての受講や大学祭、修学旅行などもあるとの事で、充実した内容と皆さんの積極的な姿勢に一人納得してしまいました。(T子)
竹末市民センター 生涯学習市民講座「大人チャレンジ 小倉織を学び織ってみよう」
2022.01.21
1月21日(金)10:00~12:00今年初めての出張講座を竹末市民センターで行いました。密にならないよう配慮したため、参加者は10名と予定より少人数になりましたが20代から90代まで幅広い年齢層の方々が参加されました。初めに小倉織の袴や枝に付いた和綿などをお見せしながら小倉織の歴史や特徴を説明し、また、反物になるまでの過程を糸車や綿繰り機の実演を交えながらお話ししました。その後小さな織り機「mini小倉」を使って、いよいよ皆さまお待ちかねの織り体験です。予め糸をセットしたmini小倉の中からお好みの色やデザインのものを選んでいただき、早速織りのスタートです。紐の幅や糸の引き締め具合を確認しながら慎重に織る方や、コツをつかんで手早く織る方など皆さんご自分のペースで時間内に無事素敵な真田紐を織り上げました。ご参加くださった90代の方が楽しそうにテンポよく織られてる姿がとても印象的でした。織り上がった真田紐はストラップにして、チャームを付けて完成させてお持ち帰りいただきました。この講座は昨年開催の依頼があり、コロナ禍で何度も延期になった末、今年になってようやく実現しました。このような時だからこそ参加した方々の笑顔を見ることができて、本当によかったと感じた一日でした。皆さまありがとうございました。(T子)
今年もよろしくお願い申し上げます
2022.01.01
新しい年が始まりました。今年は様々なイベントやワークショップなどが予定されています。まだまだ気が抜けない状況ですが、感染対策を行いながら皆さまに小倉織の魅力をしっかりお伝えしていきたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。(T子)
小倉織縞の寅でご挨拶☆
新年のご挨拶・アクロス福岡イベントのご紹介
2022.01.01
新しい年が始まりました。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
昨年は「北九州市民カレッジ-小倉織をまなび、織ってみよう」をはじめとする対外的な講座、イベントなどは中止や延期が多く残念な一年でした。
しかし、創作活動においては、小倉織を新しい用途に使う可能性が開けて刺激の多い一年でした。また、新たに3名の方々が研究会の活動に加わって下さって今までにも増して元気な研究会になっています。さらに、工房に集っている小倉織伝承会の方々ですが、年々技術の向上に加えて自主的な活動が生まれてきて、研究会を後押ししてくれています。地元の東谷に残された小倉織の布片の復元も伝承会の力によって実現して、今後の研究にも繋がって行きそうです。自然史・歴史博物館と協同で進めている小倉織の調査は、コロナの影響で遠距離の調査には行けない状況ですが、他の地域の研究者の方々との繋がりで日本各地に伝播していた「小倉織」の小倉以外の地域から見た姿が少しだけ分かってきた気がしています。今後も、小倉織がどこからやってきたのかというルーツ探しや、江戸期の小倉織の実物資料探しなどを続けて行く予定です。***********************************新年のイベントのご紹介です。アクロス福岡にて1月8日~10日まで、「お正月遊びと縁起物展」が開催されます***研究会は2F匠ギャラリーの縁起物販売会場に参加します。これまで手紡ぎの双糸で帯を織ってきて残っている糸を有効に使いたいと思っていました。なにしろ、綿を育て、種を取って綿打ち、糸に紡いで2本撚り合わせて染める・・・そんな手が掛かって大事な糸を少しでも捨てることは出来ません。今回その糸が「手紡双糸小倉織真田紐」に織り上げられてリールキーホルダーになりました。丈夫な真田紐です。1Fの会場では楽しいお正月遊びもたくさん体験できますよ。是非お越しください。(Kei)
「すてきにハンドメイド」発売中!
2021.11.30
9月に取材を受けたNHK「すてきにハンドメイド」テキスト12月号が発売されました。小倉南区で作っていただいている綿や工房の様子、制作作品、大和代表のインタビューと盛りだくさんの内容です。お近くの書店でぜひお手に取ってご覧ください!
🌻安心院より活動だより
2021.10.18
安心院在住の私は研究会工房へは月に1・2度行きますが、普段は大分県宇佐市安心院町の自宅で織っています。
周りは植物が多く、季節で様子が変わります。
最近では稲刈りも終盤に入り、慌ただしい音が聞こえてきます。
そしてこの時期といえば、セイタカアワダチソウが大家族でお目見えします。増えすぎると自滅する不思議な植物です。染めに使えて、さらに肌に良い成分があるので入浴剤としても使えます。花粉症の原因であるブタクサと間違われていますが、セイタカは花粉を飛ばさない無害な植物です。
煮始めは爽やかな良い香りです。
アルミ媒染で染め上がった色は、まろやかな黄色でした。外来種だから?かは分かりませんが、カリヤスや黄檗とは違う西洋な雰囲気を感じました。(わた子)
第57回大分県美術展に入賞しました
2021.10.18
先日お知らせした福岡県展入選、入賞に続き、安心院在住の豊前小倉織研究会会員平山路子さんが、第57回大分県美術展に出展して、大分県立美術館賞を頂きました。出展した4人全員が入選、入賞することができて、大変うれしく思っています。これからも地元で栽培された和綿を紡いで、たくさんの方に親しみを持って使って頂ける小倉織の帯の制作に励みたいとの思いを新たにしています。県展会場で展示された、緯手紡小倉織帯「よろこび」です。(kei)
NHK「すてきにハンドメイド」の取材がありました!
2021.09.18
9/18(土)にNHK「すてきにハンドメイド」のテキストに掲載される特集記事の取材がありました。東京から来北されたのはエディターの宮下さん、フォトグラファーの久保田さんの女性お2人。強い風など台風の影響がまだ残る中、朝9時前から取材は始まりました。まず工房では、機織りの様子や機にかかっている布の撮影です。当然ですが前、後ろ、斜め、横、色々な角度から撮ります。そして椅子に乗って上からも! 一枚一枚丁寧に、でもサクサクとこなされる姿はさすがプロだなと思わず見入ってしまいました。その後母屋に移り、ふわふわのワタやじんき、糸紡ぎの様子、反物など本当にたくさんの写真を撮ってくださいました。撮影中、小倉織について様々な質問をされながら、ずっとリラックスした雰囲気を作ってくださった宮下さん。工房のいろんなものに興味を持ってレンズを向けていらした久保田さん。短い時間でしたが、すてきな時間をご一緒させていただき大変楽しかったです。最後に母屋でお二人と大和代表をパチリッ。良い写真が撮れたと思います。(素人的に(^^))この後午後からは晴れ間も出て、ワタを栽培していただいている小倉南区で、ワタの撮影も無事終えられたようです。この様子は「すてきにハンドメイド」12月号(11月20日発売)で紹介されるとの事です。どんなページになるのか今からとても楽しみです。(T子)
第76回福岡県美術展覧会に研究会から3人が入選しました
2021.09.18
新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、昨年は中止された県展が2年ぶりに開催されました。今年度、県展の工芸部門に研究会から3人が手紡双糸小倉織帯を出展して、全員入選しました! 機械紡績の糸が生まれる以前は、綿から糸車で糸を紡ぎ、その糸を二本合わせた双糸で小倉織は織られていました。江戸期の初めから続けてこられた手紡双糸小倉織の美しさと力強さをたくさんの方に知っていただける貴重な機会になると考え今回応募しましたが、手紡双糸小倉織の帯を評価していただいたことは大変嬉しく、これからの制作の励みになります。私たちの地元で栽培した綿を使っての小倉織制作活動は、毎年和綿を栽培してくださっている方々、綿の種取りをしてくださる方々、綿打ちをしてくださる方はじめ本当に多くの方々に支えて頂いて初めて可能になることばかりです。日頃より小倉織を応援してくださっている方々、支えてくださっている皆さまに感謝申し上げます。出品した作品は、9月14日~20日まで福岡県立美術館で展示されます。(北九州市の巡回展は11月24日~28日まで北九州市立美術館であります。)【西日本新聞社賞】手紡双糸小倉織帯「汀」花田眞理子、【福岡県文化団体連合会賞】手紡双糸小倉織帯「夏の夢」喜洲朋子、【入選】手紡双糸小倉織帯「旅路」野代和子**************************福岡県立美術館HP https://fukuoka-kenbi.jp/(kei)