織る

糸を紡いで染めが終わると、織の準備にかかります。小倉織の織り方は、たてとよこの糸を1本ごとに交差させて織る最も単純な平織です。しかし、たて糸の密度が高いため糸同士がくっつき合って開きにくいことや、よこ糸を強く打ち込む必要があることなどから織る時には細心の注意が必要です。

整経から織り始めまで

①整経

デザイン通りにたて糸を並べ、必要な長さの糸を箱千切に巻きます。

②綜絖通し

整経した糸を綜絖の目に1本ずつ通します。これにより、糸の上下の動きが決まります。

③筬通し

綜絖に通した糸を数本ずつ筬の目に通します。これにより、たて糸の密度と布の幅が決まります。

④結び付け

たて糸の束を手前の布に結び付けます。

⑤織り

よこ糸を小管に巻き、杼(シャトル)にはめて、織り始めます。

杼(シャトル)と小管

整経とは

整経台の上で、デザインにあわせて染めた糸を順番に並べ、デザインどおりの縞が出来上がるようにする作業です。現在ではドラム整経機も使います。


赤-たて糸 緑-よこ糸

平織とは

たて糸とよこ糸が図のように1本ごとに交差するもっとも簡単な織り方です。

豆知識

機の移り変わり

織るためには、道具が必要です。大昔は、人の体を機の一部として使う腰機を用いていましたが、次第に機の仕組みが変化し、地機が使われるようになり、次に高機が発明されました。小倉織では1700年代の半ばに使われる機が地機から高機に変わり、織るスピードが大変速くなりました。

  • 腰機
  • 江戸時代の地機

    「和国百女」国立国会図書館所蔵

  • 高機